「時間」を研究するクレスペル研究所で、タイムトラベル実験への参加を依頼された主人公のクロード。一年前へ旅だった彼の目の前に広がるのは夏の真っ青な海、そこにいるのは、かつて破滅的なまでに愛し合った恋人カトリーヌだった。しかしマシンの故障により過去に閉じ込められてしまったクロードは、ばらばらに散らばった思い出を追体験していくのだが──。
わたしたち誰もが持つ、もっとも小さな秘密の芸術ともいうべき「記憶」と、人類にとって欠かせない「時間」という概念、そして世界が始まって以来の永遠のミステリーである「愛」をテーマにしたタイムトラベル・ラブストーリー『ジュテーム、ジュテーム』。ミシェル・ゴンドリーの『エターナル・サンシャイン』をはじめ、多くの作品に影響を与えた幻のSF映画が日本劇場初公開。監督は『二十四時間の情事』『去年マリエンバートで』などで知られ、クリストファー・ノーラン、チャーリー・カウフマン、スティーヴン・ソダーバーグ、アルフォンソ・キュアロンほか現代ハリウッドの名匠たちも敬愛する巨匠、<映画界きっての時間旅行者(ルビ:タイムトラベラー)>アラン・レネ。まるで呼び戻されるように、何度も、何度もある地点へと舞い戻り、かつての恋人と出会いなおす主人公。パズルのように散らばった「記憶」をわたり歩いた先に、彼がみた景色とは──?